新型「NSX」に期待するのは発想の転換!?【ゆとり世代のチョイ乗り報告】

こうして新型「NSX」を見て触れるほどに、ホンダの言わんとするスポーティや先進性の姿が浮き彫りとなり、実感として感じられるようになりました。

とはいえ、新型「NSX」の車両本体価格は2370万円です。さらに製造台数は6~8台/日で、日本に入ってくるのはとりあえず100台と少なく、その姿を実際に目にすることも手で触れられる機会は限られています。そして、これこそが課題だとも。

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ところで、現在公開されている映画『君の名は。』をご存じでしょうか?

興行収入100億円を突破するほどの大ヒット作品ですが、劇中でモデルとなった岐阜県飛騨市には連日多くの人が訪れています。そもそも飛騨牛や飛騨高山温泉などの名物と名所はありましたが、そこに「アニメ」という新しい架け橋ができたことでさらに多くの人を呼び込むことに成功しました。

そして、まさに新型「NSX」に必要なのは、かつての栄光やハイブリッドスーパースポーツという側面でのアピールだけでなく、様々なコンテンツとの間に架け橋を設けることではないでしょうか?

例えば、バーチャルリアリティ(VR)は大いに期待が持てる技術でしょう。すでにレーシングゲームへの採用も考えられているようですが、プロドライバーがニュルブルクリンクや鈴鹿サーキットなどを攻めるのを同乗体験できるといったコンテンツを無料で配信すれば、物は試しに……と興味を持つきっかけにはなるはず。

クルマ好きは「乗れば楽しさが分かる」と言いがちですが、実はそのハードルは想像以上に高いのかもしれません。そして「NSX」のようなモデルならなおさら。

いよいよ国内でのローンチを無事終えて一段落した新型「NSX」。新時代のスーパースポーツ体験(New Sports eXperience)がどのように広がるのか? 今後にこそ注目したいところです。

(今 総一郎)

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