価値観を変える21世紀のカローラ【Corolla Stories 39/50】

20世紀最後の年、2000年という年は、極めて大きな意味を持った年だったと言えるでしょう。

自動車メーカーなどの技術を中心とした企業にとっては、20世紀の集大成という意識が強く現れた年だったのです。これまでの結果をしっかりと出す年として、多くの目標の目処ともされてきたのです。

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同時に時代の変化もありました。そうした動きに意外にも素早く対応していたのが、カローラだったのです。2000年に発表されたこのモデルは、名前以外のすべてを変えたのです。

8代目によって衝突安全ボディを始めとしたハードウエアのある程度の技術的確立を受け、9代目は飛翔の車となりました。これまでのカローラの価値観を大きく変えたのです。

この車はNCV(ニュー・センチュリー・バリュー)と呼ばれ、社内的にも価値に革新をもたらすべく士気を高めていったのです。

その多くはパッケージの変革にありましたが、装備にも現れていました。

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最上級仕様にラグゼールを設定し、ATセレクターをゲート式としました。形状だけを見ればメルセデス風にしただけかと言われそうですが、この狙いはロックリリース・スイッチを持たないATシフト構造の検討なのです。

シフトレバーにはボタンがついていますが、これは勢い余って違うポジションに入るのを防ぐためのものです。しかし、そのセレクターを正しく使うためには、正しい操作法が必要になるのです。

基本はボタンを押さずに操作し、動かない場所だけボタンを押して動かす。そうした習慣をつけることで誤操作を防げるようになるのです。

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しかしゲート式の狙いは、ボタン操作を必要とせずドライバー側に引き寄せて操作することが基本になります。そこで止まれば引き寄せる力を緩める、という操作で見ないでもセレクターがどの位置にあるのかがわかるようになるのです。

常にカローラには人間工学的革新が感じ取れますが、ゲート式の採用は極めて大きな意識変革として注目されるものだったのです。

さらには、ラグゼールにオプティトロンメーターが採用されました。簡単に言ってしまえばセルシオのメーターと同じものとも言えるもので、価格破壊的なエピソードともいえるでしょう。

そして、ラグゼールではタイヤ空気圧警告灯までも装備。スタッドレスタイヤに交換すると面倒な面があったりなどもしましたが、空気熱管理に対する無頓着さに警鐘を鳴らしたものでもありました。

21世紀を前に、カローラという価値観を変えるという、大きな役割を担ったのが9代目でした。

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(文:小林敦志&松永大演)

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