1990年に“ニュースポーツ・エクスペリメンタル(実験的な新しいスポーツカー)”として登場した初代「NSX」。
2016年に販売が始まった新型は“ニュースポーツ・エクスペリエンス(新しいスポーツカー体験)”と掲げています。
そんな新しいスポーツカーらしさを感じさせる最大の特徴として、車両の前後に合計3つのモーターを搭載する点が挙げられます。
3.5L V6ツインターボにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは、最高出力で581ps、最大トルクは646Nmを誇ります。
しかし、「NSX」の走りを支えるための技術はこれだけではありません。
今回はパワートレーン以外にもNSXの走りを支えるテクノロジーを、動画とともにご紹介いたします。
■運動性能と居住性の両立を果たしたパッケージ
スポーツカーにとってパワートレーンの性能と同じく、重要なのがパッケージです。
エンジンやトランスミッションなどの駆動系はもちろん居住空間も考慮し、さらに車両の重量バランスや小型&軽量化など、様々な要素を高いレベルで両立させなければなりません。さらに新型「NSX」の場合はハイブリッドシステムの搭載も必要。
そこで、まずは車両のバランスを良くするためにミッドシップレイアウトを採用。V6ツインターボエンジンはドライサンプ化し、さらに低い位置に置かれています。
その上で、バッテリーなど重量のあるハイブリッドシステムは居住空間とエンジンの間に立てかけるように置かれています。その結果、前後重量バランスは42対58を達成。ドライバーの操作に対する素直な挙動変化に繋がっています。