公開された試作車は、電気モーターの出力が150kW/200psで、最高速は180km/h、0-100km/h加速は8.4秒、水素充填量および航続可能距離(EUサイクル)は4.5kgで450km、7.1kgで700kmとなっています。
BMWもトヨタとの協業により、FCVとして技術的には現在でも市販化できるところまで酷暑、極寒の地を含めてテストされているのでしょうが、2020年までに市販化とアナウンスしたのは、水素ステーションなどの「インフラ整備」そして、「価格面」をクリアする必要があるとのこと。
インフラ整備は、ドイツでは2018年までに140の水素ステーションが設置予定で、導入状況により2023年までに260追加される見込み。
なお、トヨタとの協業は、燃料電池システムの技術面だけでなく、水素インフラ整備を官民に働きかける、充填システムなどといった業界に統一規格化を主導するという面も大きいそうです。
価格は、従来のBMW車に対して1割までの価格上昇がユーザーに許容される範囲と予想、現時点では残念ながらクリアできないそう。
ほかにも、ベース車に対して居住性や積載性が大きく犠牲にならず、BMWらしい「駆け抜ける歓び」ももちろん追求されています。
今回は残念ながらBMW i8をベースとしたFCVの実車はなくプレゼンの写真だけでしたが、BMWならではのFCVが従来モデルよりも1割アップの価格でリリースされればかなりの反響がありそうです。
(文/写真 塚田勝弘)