ジャガー・ランドローバーがガソリンエンジンと最新ATを新たに開発する狙いとは?

年々厳しくなる環境規制(CO2排出量)に対応すべく、同社でもすべてのモデルで排出ガスを削減し、燃費を向上させるという長期的なコミットメントを掲げていて、高効率な代替パワートレインの採用、得意とするアルミなどを使った車体の軽量化、車両の省エネルギー化を進めています。

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排出ガスの削減戦略の中核である新開発の4気筒「INGENIUM」ガソリンエンジンは、ジャガー・ランドローバー社が10億ポンド(約1,300億円)を投資して建設、拡張されたエンジン・マニュファクチャリング・センターにおいて製造。

デザイン、エンジニアリング、マニュファクチャリングはすべて英国で行われていて、同社が開発するものとしてはもちろん最先端のエンジンになります。従来のエンジンと比較すると、パワーを最大25%向上させながらも燃費を最大15%削減できるとのこと。

BMW同様に、1気筒あたり500ccの排気量を基本構造として、最大限の柔軟性と拡張性を両立。そのため、スポーツサルーンやSUVといった様々なモデルに適用した開発が可能になります。

また、同エンジンには、電動油圧式バルブトレイン、一体型のエキゾーストマニホールドとセラミック・ボール・ベアリング技術を使用したツイン・スクロール・ターボチャージャーなどの最新技術が搭載されます。

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さらに、組み合わされるトランスミッションも新たに開発中だそうで、今後の市販車モデルの効率性を向上させると同時に、全輪駆動の能力をさらに高める革新的な先進的なATになるそう。

3,000万ポンド(約39億円)規模の先進的な研究プロジェクト「TRANSCEND(トランセンド)」と呼ばれるもので、ローレンジ・ギアボックス、デュアル・ クラッチ、ハイブリッド技術を組み合わせ、「20:1」という極めて高いギア比を採用。新たな水準のオフロード性能に貢献しながら燃費を約10%改善できます。

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ディーゼルに加えて、ガソリンエンジンの刷新、そして新しいトランスミッションの開発、ボディの軽量化などによりジャガー・ランドローバー社の今後のモデルにもより注目が集まりそうです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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