2017年モデルのGT-Rの改良内容を見ると、エンジンに新たに気筒別点火時期制御を採用してトルクの向上を図ったこともポイントですが、とくに大きく手が加えたのがボディです。なかでもAピラー周りの強化が肝。この解答を見つけ出すのに2年間を費やしたそうです。
エンジンそしてボディの強化が進めば、次はサスペンション。4輪の接地荷重を最適化するためのチューニングが行なわれ、結果としてスラローム時の車速が約4%向上しています。
これらメカニズムの改良が運動性能の向上をもたらすのはイメージしやすいですが、実はボディのデザインもクルマの性能向上には欠かせない要素なのです。
新型GT-Rではエンジンのパワーアップに伴って、グリルの開口面積が20%拡大しており、それによって空気抵抗が増えてしまったのです。それをいかにして取り戻すかがデザインの命題ですが、これはフロントとリヤのフェンダーを延ばすことで対処に成功。
そのほかにもフロントバンパーやサイドシルさらにはボンネットの形状も変えてダウンフォースを向上させています。
その上で、最近の日産車が採り入れているVモーショングリルを織り込むなど、新型GT-Rのデザインは緻密な計算のもと成り立っているのです。