最新エスティマの走りをチェック。ホンダ・オデッセイと比較すると…

ヤマハ製フロントパフォーマンスダンパーにより、剛性アップ、ボディな微少な振動を減衰することが可能となったそう。

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また、最近のトヨタ車ではお馴染みのエアロスタビライジングフィンをリヤコンビネーションランプに施すことで、空力性能を向上。こちらは、乱流を起こして空力でボディを左右からしっかりと抑えるのが狙いです。効果は分かる人なら40km/hくらいから察知できるそうですが、80km/h以上の中・高速域で顕著になります。

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また、サスペンションは、パフォーマンスダンパーやエアロスタビライジングフィンの装着を前提にチューニングされているとのこと。

バネ定数の変更、ダンパーの摩擦抵抗などが盛り込まれ、初期の動き出しをスムーズにしているほか、減衰力も新しいバルブの採用により操縦安定性と乗り心地の両立が図られています。

マイナーチェンジによりエスティマが目指した走りは、より乗り心地を良くして、その上でもバネ上のボディの動きを抑制するという仕上がりを目指しているそうです。

試乗時間や試乗ステージは限られていたものの、実際の走りもマイナーチェンジ前よりも洗練されている印象を受けますし、狙ったラインをトレースしやすいなど、ハンドリング面の向上も実感できます。

しかし、2013年に登場した現行のホンダ・オデッセイと比べると、デビュー年月の差は埋めがたいものがあります。とくにフロアや足まわりからの微振動を抑える巧みさや、滑らかに動くサスペンションはオデッセイの方が上。

さらに、現行オデッセイは現在のミニバンの中でもトップクラスといえる上質な乗り心地を得ているだけに、エスティマの基本設計の古さは、すべては隠しきれないというところでしょうか。

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それでも先述したように、マイナーチェンジ前と比べると洗練された走りを得ているのは間違いなく、今回は「アエラス」系のみとなっていますが、乗り心地の面で大きな不満を抱くことはないでしょう。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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