日産が「SOFC」を搭載した世界初のFCVコンセプトカーをブラジルで公開

2016年6月に日産本社で開かれた技術説明会では、デリバリーなどの商用ユースバンを想定していて、近い将来、マスコミに試作車を披露、試乗する機会を提供したいというコメントもありました。

160805-02-05-1200x675

写真からも分かるように、同プロトタイプは、バッテリーEVである多目的商用バン「日産e-NV200」に、100%エタノールを燃料とする発電装置(SOFC)を搭載した特別仕様車。

「SOFC」により高効率に発生された電気が24kWhのバッテリーに蓄電され、600km以上の航続距離を実現しています。

160805-02-12-1200x675

160805-02-07-1200x675

160805-02-14-1200x675

日産では、ブラジルの一般道で同プロトタイプを使ってフィールドテストを実施し、技術や車両の市場性などを検証の上「e-Bio Fuel-Cell」のさらなる研究開発を推進するとしています。

160805-02-06-1200x675

「e-Bio Fuel-Cell」の特徴は、100%エタノールもしくはエタノール混合水が燃料。お酒のように持ち運び、保存、そして燃料供給がしやすく、トヨタMIRAIやホンダCLARITY FUEL CELLのように高純度の水素が不要で、インフラ整備のハードルもかなり低くなっています。

環境面では、サトウキビやコーンなど植物由来のエタノールを使うことで大気中のCO2の増加をゼロに近づけることが可能な「カーボン・ニュートラル・サイクル」を実現。

ほかにも、バッテリーEV同様に、停車時からの走り出しの良さやきびきびした走りなどやガソリン車並みの航続距離を可能としています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる