ホンダがHV用モーター磁石の「脱レアアース」で世界初の新技術!

そうしたなか、ホンダと大同特殊鋼が7月12日、HV用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、レアアースを使わないネオジム磁石を共同開発、世界で初めて実用化したと発表しました。

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大同特殊鋼の子会社であるダイドー電子が、ネオジム磁石の製造工法として採用している「熱間加工法」(ナノレベルの結晶粒を配向させる技術)をさらに進化させた上で、ホンダが磁石形状やローター形状を工夫することにより、磁束の流れを最適化。

一般的なネオジム磁石は、比較的大きな磁石粉末を金型に充てん後、高温下で焼結するのに対し、開発品では磁石結晶の粒径を1/10まで微細化、加熱した金型から押出す工法を採用。

トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成、生産コストの低減も併せて実現したとしています。

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ホンダは今秋発表予定の新型HVミニバン「フリード」にこの技術を適用しており、順次、新型車への拡大を目指す模様。

また、磁石の原料となる磁粉についても、カナダのマグネクエンチ社とさらなる高特性化に向けた開発を行うそうです。

トヨタも電動車用モーターの「脱レアアース」を進めており、要(かなめ)となる駆動用モーターの生産リスク解消に、ホンダが一足先に目処を付けたことになります。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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