自動車部品大手のデンソーは、世界最大の電気・電子分野の国際学会であるIEEEにおいて、IEEE Medal(Environmental and Safety Technologies)を受賞し、2016年6月18日(土曜日)にニューヨークで授賞式が行われた、と発表しました。
今回の受賞は、クリーンディーゼル車の普及拡大に大きく貢献する電子制御式噴射システム(以下、コモンレールシステム)を世界で初めて実用化したことが評価されたもので、同社取締役副社長の宮木 正彦氏、常務役員の篠原 幸弘氏、竹内 克彦氏の3氏が受賞しました。
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)は、米国に本部をおく電気・電子分野における世界最大の専門家組織です。主に工学分野における学会としての活動と、工業技術の標準化団体としての活動を行っています。
IEEE Medalは、技術革新や事業・産業の発展に大きく貢献した研究者や技術者、チームをIEEEが選定し毎年授与するもので、「Environmental and Safety Technologies」は環境、安全分野における優れた功績に対して授与されます。
デンソーは1995年に世界で初めて、高圧噴射、多段噴射が可能なコモンレールシステムを量産しました。
コモンレールシステムは、ディーゼル車の課題であった黒煙排出やエンジン騒音などを大きく低減することで、それまでのディーゼルのマイナスイメージを塗り替え、特に欧州におけるディーゼル乗用車のシェアの大幅な拡大に貢献しました。
その後もデンソーは、2013年に2,500気圧の超高圧噴射が可能なシステムを開発、量産し、排出ガスのさらなるクリーン化を実現しています。
また2012年には、燃料を噴射するインジェクターに内蔵された圧力センサーが噴射圧をリアルタイムに測定し、インジェクターごとにタイミングと噴射量を制御できる「i-ART(intelligent Accuracy Refinement Technology)システム」を世界で初めて量産し、燃費の向上と排ガス中の有害物質低減に貢献しています。
(山内 博・画像:デンソー)