衝撃のル・マン、トヨタは敗者のままじゃない! 豊田章男社長は「負け嫌い」で来年も出場を約束!

作り話でもここまでのエンディングは書けないだろうというほどの結末を迎えた2016年のル・マン24時間レース。23時間57分を迎えた頃ストップした首位のTOYOTA TS050 HYBRID#5号車は、結果的に規定の時間内にゴールすることができず、リタイヤとなってしまいました。

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パワーが出なくなった原因は走行中に確実に特定することは困難です。ドライバーが状況をチームに伝え、最適な方法を考えるわけですが、ラスト3分となってピットインしていては優勝がなくなることは確実です。

考えられる原因としてコンピュタ系のシステム不具合がありますが、我々も調子が悪いスマホやパソコンを再起動するように、車両も再起動で復帰することも考えられます。

ポルシェ2号車との差は1分半、そこで中島選手はピットインせず、チームの目の前でストップさせ、再起動させたのではないでしょうか。

再起動して走ったものの、パワーはやはり出ない。もう一度安全なストレートの途中で停止させ、再起動を試みる。けれどやはりパワーが出ない。

原因の一つとして考えられるものとして、ターボ系のパイプの損傷があります。ターボの圧力がかからなければ、エンジンは動くもののパワーは出ない。まったく動かないわけではないので、最終的に走り出したけど、規定の6分以内には戻ってこられず、残念ながらリタイヤ扱いになってしまった、ということではないでしょうか。

E91I9049_sいずれにしても「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」というキャッチフレーズの敗者とは2位以下を示しているわけで、未経験の優勝をしなければならない。そこで取られた措置、選択の方法としてはなにも間違っていなかった、ということなのでしょう。

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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