地上最速のモータースポーツ、レッドブル・エアレース。今年の千葉戦の見どころを紹介しましょう!
今年のみどころに「選手と機体の交代」があります。
マスタークラスよりボノム/ベネゼイという2名のチャンピオン経験者が去り、チャレンジャークラスより2名が昇格しました。
昨年のチャンピオン、ボノム選手の機体は、ファン・ベラルデ選手が引き継ぎました。また、昨年の開幕まで室屋選手が使用した機体を昇格したピーター・ポドランセック選手が引き継いでいます。2機とも「セッティングの出ている機体」で、両選手が上位入賞に絡んでくるかもしれません。
また昨年までは3名ほどが常時装着した「ウイングレット」ですが、今年はほとんどの選手が装着し、全体のタイム差がグッと詰まっています。
女性選手メラニー・アストルにも注目です。
チャレンジャークラスで2戦を終えてノーポイントですが、全仏アエロバティックチャンピオンに5度輝いた実力者、初ポイント獲得が見れるかもしれません。
千葉会場は今年も海上にコースを設置。海岸からの観覧という性質上、両端でバーティカルターンをする部分とスタートを中央で行う部分は同じで、コースレイアウトの変更は若干に留まる様です。
そのため、直線的に飛ぶ距離が長く、「空気抵抗の少なくスピードの速い機体」が有利となります。ただし、飛行機に発生するGは旋回に入る「瞬間」に最も大きな負荷が発生します。
室屋選手は昨年と同じ機体ですが、突貫作業で作り上げられた昨年とは違い、オフシーズンに機体の表面を滑らかに仕上げた空気抵抗の低い、直線の速い機体です。ウイングレット非装着ですが、上位入賞の可能性は少なくありません。
今年の室屋選手は、オリジナルのウイングレット導入がルール改定(投入パーツの承認が複雑となった)で先送りとなり、開幕・アブダビ戦を迎えました。
その開幕戦でGセンサーが新システムに替わります。従来システムとの感覚の誤差があるようで、Gオーバーを起こす選手が続出、室屋選手も準決勝「ラウンド・オブ・8」でGオーバーで失格となりました。
更にそのGセンサーが第2戦:シュピールベルグを前に壊れ、交換というアクシデントに見舞われます。そして決勝を最初に飛び、向かい風での旋回時に再びGオーバーで失格という不運なスタートとなりました。
2戦目には主翼の先端に後退角を付けた小型ウィング(レイクド・ウィングチップ)を新たに取り付け、ぶっつけ本番の予選で7位(ペナルティー加算で順位は10位)のタイムを出しました。
千葉でもオリジナルのウイングレットは導入できないようですが、ファイナル4へ、そして更なる上位を目指して欲しいものです。
また、千葉戦では、日本の文化「レースクイーン」が登場します。
シリーズ全体のイメージガール4名と各チームに1人ずつのチームガール合計18名が大会に華を添えます。
室屋選手のチーム・ファルケンはスーパーGTでLEXUS TEAM WedsSport BANDOH レースクイーンを務める藤木由貴ちゃんがチームガールです。
レース会場では出店も増えたり、ペットボトル飲料(600ccまで)なら飲料の持ち込みも可になりました。トイレ/飲料販売スペースも増やされる様です。
昨年、会場の外からチラ見出来たのが話題になりましたが、会場内はコクピットのパイロットが見える距離です!
より快適になった会場で、室屋選手を応援しましょう!
(川崎BASE・Photo:Predrag Vuckovic/Stefan Voitl/Red Bull Content Pool)
【関連記事】
レッドブル・エアレースがやってくる(1)── システム変更で勝ち残りサバイバル度が激化!?
https://clicccar.com/2016/06/01/373741