「軽じゃないK」(トヨタ)というキャッチーなコピーで登場した新型ブーン/パッソ。一見キープコンセプトなモデルチェンジの進化点はどこにあるのか?あらためてチーフデザイナーに話を聞いてみました。
[語る人]
ダイハツ工業株式会社 デザイン部
第1デザイン室 東京デザイン課長 清水幸治 氏
── はじめに体制面からお伺いします。新型は企画・開発がダイハツ主導になりましたが、デザインをする上での影響はありましたか?
「ありましたね。生活に密着し、かつ廉価なコンパクトという条件では、制約の大きい軽での経験は非常に有利でした。また、トヨタさんにとってはエントリーですが、ダイハツでは上級車という立ち位置の違いも実は大きいんです」
── 造形上のテーマ、キーワードは?
「合理性です。初代は円柱、2代目は卵をボディのモチーフにしつつ、大きなフレアでタイヤの存在感を出しました。ホイールベースを50ミリ延ばした今回は、タイヤをさらに四隅に置いて、プロポーションとパッケージを高次元で成立させました」