新開発した「新インホイールモータ」は、平行軸歯車式減速機と外輪回転ハブを組み合わせて、従来型よりも小型・軽量化を実現したのが特徴です。
車輪軸に対してモータ軸をオフセットする構造を採用したことで、インホイールモータ部分の厚みを削り、ホイール幅に収めることに成功しました。
これにより、車両の懸架・転蛇構造を変更することなく搭載可能になり、コンバートEVの開発コストの削減や期間の短縮が期待できるということです。
また、今回の貸与車両に搭載されているインホイールモータは次の2点が注目です。
1.17インチホイール内に搭載
2.冷却方式:空冷(水冷で必要となる配管などが不要)
この構造により「新インホイールモータ」には、次の特長があります。
1.平行軸歯車式減速機の採用により、小型・軽量化を実現
2.ベース車両にある従来の懸架・転舵構造が利用可能
これまで、NTNは独自開発したインホイールモータシステムを搭載EVをモーターショーに出展し、同システムを利用したコンバートEVを自治体などに貸与し、実証実験を行ってきました。
モータをホイール内に配置するインホイールモータは、車内空間の有効活用と、車輪ごとのトルク制御が可能で走行性能が向上するという利点がある新しい駆動方式です。
一方で、NTNの従来型インホイールモータは軽量であるものの、搭載車両の懸架装置(サスペンション)の仕様変更が必要であるという課題がありました。
今回の貸与車両に搭載された「新インホイールモータ」は、従来の課題を解決することができることから今後の発展が期待されています。
(山内 博・画像:NTN)