「G 550 4×42(フォー・バイ・フォー スクエアード)」は、アジア地区では日本だけで販売され、5月31日までの期間限定販売。
価格は3150万円と、兄貴分にあたる6輪の「G 63 AMG 6×6」の8000万円と比べると半額以下ですが、ノーマルのGクラス(350d)が1070万〜3470万円(Mercedes-AMG G 65)という価格帯であることを考えると、相当高額な設定にも思えますが、もちろん性能や装備は価格に見合うものになっているはず。
その理由を探ると、37年におよぶGクラスの特殊車両技術を投入した「究極のオフローダー」を謳っています。
最大の見どころは、ラリー強化仕様ツインサスペンション。各ホイールに2本ずつ装着されるスプリングとダンパーストラットの可変ダンパーシステムから構成され、量産車のGクラスに組み合わされています。
「あらゆる道」を走破できると豪語するように、「メルセデス・ベンツ コネクション」に設定されたコースでデモンストレーションも実施されました。
小さなスペースですが、「BALANCE MOGUL」と名付けられたモーグル、「CROSS HILL」と呼ばれる傾斜越えで、始めにノーマルのGクラス、そして「G 550 4×42」が登場。
通常のGクラスでも時折スリップしながらも走破できましたが、「G 550 4×42」は、走行中にロック可能なディファレンシャル、そしてもちろんフルタイム4WD、防弾仕様車の技術をベースとした「ポータルアクスル」の採用により、460mmもの最低地上高が確保されていることもあって、難なくクリアしてしまった印象。
先行したノーマルのGクラスがスリップしたシーンでも、まったく滑ることなく走破したり、1輪が完全に宙に浮いても姿勢が保たれたりするのには、プレスから感嘆の声も上がっていました。本当に「足が伸びる! 縮む!」という感じです。
こんな圧倒的な悪路走破性が必要なシーンは、公道はもちろん、日本のオフロード専用コースでもなさそうですが、見た目の圧倒的な迫力もあってGクラスに注目するセレブの方々から熱視線を浴びそう。
なお、パワートレーンは4.0LのV8ツインターボエンジンで、421ps/610Nmというスペックを確保。ボディサイズは全長4520×全幅2100×全高2240mmで、タイヤサイズは325/55R22となっています。
(文/写真 塚田勝弘)