大会の結果は、優勝が斎藤太吾選手、準優勝が川畑真人選手。去年からつづく2強時代そのままというリザルトで、なにも変わっていないように見えますが、細かいところを見るとタイヤ本数制限の影響が見られます。
まずは、単走決勝の走行2本目をキャンセルするドライバーが出てきました。1本目に追走進出を確実にしておけば、2本目をキャンセルすることでタイヤを温存できるからです。
そしてもうひとつは、本来圧倒的な速さを誇る川畑選手と斎藤選手についていけたマシンが結構出たことです。
たとえば準決勝で川畑選手と対戦した草場選手は、ストレートで離されずについて行きました。また、同様に準決勝で斎藤選手と対戦した藤野選手は、最後でミスをしてしまったものの、完全に斎藤選手をとらえ、ビタビタの接近ドリフトをしていました。
川畑選手は、決勝に向けて使えるタイヤを残すマネージメントをしていました。斎藤選手は、準決勝の前に末永選手、日比野選手という強敵と戦うため、新品タイヤを使い果たし、中古タイヤで走っていました。いっぽうで、草場選手はマイナス0.5ランクを受け入れてニュータイヤを投入していました。
このように、状況によっては、圧倒的なパワーを持つ川畑選手や斎藤選手にも、ほかの選手がついていける可能性が出てきたのです。
また、決勝は斎藤選手が川畑選手に勝ちましたが、斎藤選手にはもう使えるタイヤが残っていませんでした。もし再戦にもつれこめば、使えるタイヤを残しておいた川畑選手が圧倒的に有利な状況に変わっていたはずなのです。
こんなふうに、タイヤの本数制限が設けられたことで、各チームの戦略が複雑になってきました。そして、斎藤選手、川畑選手といった2強も、思わぬところで足下をすくわれる可能性が出てきたのです。
今季のD1GPはそんなところにも注目して見てみると面白いかもしれませんね。
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(まめ蔵)