スズキ・イグニスの走りはどうか?

というのは、新型ソリオと同じ新プラットフォームを使っているのになぜ? という理由から。

ですが、こうした条件(荒れた路面)でもソリオはここまでボディの収まりが悪かった記憶もなかったからです。また、イグニスの試乗車の差(個体差)もあるかもしれませんが、もしディーラーなどで試乗する機会があればチェックしたいところ。

SUZUKI_IGNIS_10

動力性能は、速度が乗ってしまえば880kg(FFのMZ、MXグレード)と軽量に仕上がっているためまさに不足なし、といったところ。

SUZUKI_IGNIS_08

しかし、停止状態からの出足はアクセルを踏んでもワンテンポも間があってから動き出す反応が気になるうえに、発進時に「最長」30秒間モーターのアシストが働くそうですが、試乗時には30秒よりも前に終わってしまうことが多かった気がしました。

街中でそれほどエンジンを回さなければ、という条件付ですが、4気筒ということもあり、3気筒のトヨタ・パッソや三菱ミラージュよりもエンジンの音・振動面は気にならないのは美点でしょう。しかし、CVTということもあってか、アクセルを踏み込むことの多い高速道路や山岳路ではそれなりに高まります。

SUZUKI_IGNIS_09

荒れた路面での乗り心地に課題を残す一方で、フットワークの仕上がりは良好で、背の高さの割にロール時に腰砕けになることもなく、コーナリングは思ったほど苦手としない印象。サスペンションの取付部の剛性を強化しているそうですが、そうした効果でしょうか。さらに、もう少し減衰されれば課題の乗り心地も改善される気がします。

SUZUKI_IGNIS_12

良好なパッケージングや個性的な外観、安全面を含めた装備の充実も光るだけに、乗り心地に関しては、今後の熟成に期待したいところです。

(文/写真 塚田勝弘)

 

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる