エンジンは「Mulsanne」向けに、最高出力512ps(377kW)、最大トルク1020Nmという強力な6.75LのV8を搭載。この並外れたパワーは、ZF製8速トランスミッションへと伝達され、アイドリングの少し上からエンジン回転域全体にわたって引き出され、アクセルを少し踏み込めば瞬時に怒涛の加速をもたらすそうですが、強大な最大トルクからも容易に想像できるところ。
また、「Mulsanne」の0-100km/h加速は5.3秒、最高速度は296km/hを誇り、V8エンジンには、気筒休止システムやカム位相可変システムといった最新テクノロジーが採用されていて、燃費の向上(複合サイクルで100km走行あたり14.6L)とCO2排出量の低減(342g/km)も達成されています。
この「Mulsanne」の圧倒的なパワーとトルクをしっかりと受け止めるためシャシーも全面刷新されています。さらに、アクティブエンジンマウントとサスペンションブッシュも見直されているほか、タイヤには、最新の騒音吸収技術を採用。高性能な発泡材構造により、室内の騒音は最大で4dBA低減され、洗練された乗り心地を提供。
サスペンションとステアリングの設定を選択できるシステムの「ドライブ・ダイナミクス・コントロール」の採用もトピックスです。
「Bentley」、「Sport」、「Comfort」 の3つの標準モードが用意され、ギヤシフトセレクターの隣りにあるロータリースイッチで操作が可能。さらに、4つ目のモードとして用意されている「Custom」を選べば、ドライバーがマルチメディアシステムから好みのドライビングスタイルをチョイスできます。
サスペンションはエアサスで、連続可変式ダンピングコントロール(CDC)を備えることで、低速では洗練された快適な乗り心地を実現し、高速では車高を自動的に下げてリフトを抑え、空力的な安定性を得ることが可能。
じつに400時間もかけて製造される新型ミュルザンヌ、豪華なレザーインテリアには約150時間を要するそうで、コントラストステッチだけでも実に37時間かけて仕上げるとか。
まさに「ファーストクラス」のようなリヤシートや、圧倒的な加速力など見どころ満載の新型ミュルザンヌ。気になる価格はまだ公表されておらず、欧州での発売は今年の夏という予定になっています。
(塚田勝弘)