横尾忠則さんのパレットをデザインしたスマートは「本人も乗りたくない」!?

箱根「彫刻の森美術館」で横尾忠則さんの展示会「迷画感応術」が開催されます。

横尾さんは、グラフィックデザイナーから画家へと転向し、現代日本を代表するアーティストですが、あえて「迷画」とするなど、シャレが好きな面もあるのだそう。

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そんな横尾さんは、芸術家は天空からの神の波動に感応し、神のメッセージを受け取る受け皿である、として、パレットはもっとも簡単に手に入る紙皿を使っているのだとか。神と紙をかけているのでしょう。

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そして、その「迷画感応術」に展示されるスマート・フォーフォーにはその横尾さんがこれまで使ってきた様々なパレット=紙皿がデザインされています。この紙皿は、横尾さん自身アートとして収集しているそうで、額に入れたり展示されたりしているのです

そのアート紙皿を一枚一枚写真に撮って、フィルムにプリントしフルラッピングされています。ある意味、本当の痛車と言えるかも知れません!?

なぜ、ベースになっているのがメルセデス・ベンツグループのスマートかというと、スマートの始まりは当時共同開発していた「スウォッチ」のSと「メルセデス」のMにARTとつけたものであり、芸術作品のベースとしてふさわしいのだとか。

発表会にはメルセデス・ベンツ日本代表の上野金太郎さんはもちろん、箱根彫刻の森美術館館長の森英恵さんも訪れていました。

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発表に際し、スピーチした横尾さんは、「自動車というのは機能性。機能性を剥奪しないとアートがクルマに負けてしまう。けど、僕だったら乗れないな」とやや自虐的にコメントして笑いを誘っていました。

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発表会場でご本人が左リヤドアにサインを入れたこのスマートは、展示後にチャリティーオークションとして、交通遺児基金に寄付しようという計画もあるとのことです。

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勇気を出して募金を兼ねて入札してみませんか? いいことしたことのアピールには十分目立つ、最適なデザインですよね。

(clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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