ポルシェといえば、水平対向エンジンというイメージが色濃いブランドですが、このレーシングエンジンのレイアウトは、V型4気筒。バンク角は定石の90度となっています。
2015年シーズンにおける最高出力は500馬力以上だったといいますが、2016年のレギュレーションによりエンジン単体の出力は500馬力を下回ることになるそうです。ちなみに、ハイブリッドシステム全体としての最高出力は900馬力以上ということです。
とはいえ、レギュレーションの自由度が大きいことが、ポルシェがWECに参戦している理由のひとつ。
そのレーシングエンジンで培ったノウハウは、市販車にもフィードバックされることになります。たとえば、4気筒ターボとなる718ボクスターの水平対向エンジンは、919ハイブリッドのV4エンジンとボアピッチ(シリンダー間距離)や、ショートストロークのプロフィール、センター配置の直噴インジェクターなどが共通しています。
こうした点について、919ハイブリッド責任者のアレクサンダー・ヒッツィンガーは、「パワートレインについて市販車のエンジニアたちと緊密に連携しました。彼らはエンジンの燃焼と混合気の分野で私達を大いにサポートしてくれています」と語っています。
(山本晋也)