最も驚かされたのは、圧倒的といえるほどの静粛性と乗り心地の良さ。
PHVですから、エンジンが掛からないシーンではEVそのものになりますから静かなのはもちろん、エンジンが始動しても音も振動面もその存在をあまり感じさせず、900万〜1000万円級の価格にふさわしい静けさに包まれます。
乗り心地も現行モデルのSUVの中ではトップクラスかも! と思えるほど滑らか。255/50R19という大きなタイヤを履いているとは思えないほどです。
プラグインハイブリッドですから環境性能も気になるところですが、この静粛性や乗り心地だけでも高級SUVとして指名する価値がありそう。
もちろん、スムーズかつパワフルなハイブリッドシステムも魅力で、2.0Lの直列4気筒ターボに8ATと一体化された電気モーターの組み合わせで、システム合計は313ps/450Nmを発揮。車両重量は2370kgとかなりの重量級ですが、山岳路でもパワー不足を意識させられるシーンはほぼ皆無。
ハイブリッド走行時は、モーターがアシストするブースト機能により0-100km/h加速は6.8秒(欧州仕様値)と、停止状態からすぐに最大トルク250Nmを発生することもあって見た目から想像する以上の快速ぶりに仕上がっています。
なお、プラグインハイブリッドで気になるEV走行時の航続可能距離は、最長で31km。最高速は120km/hに達します。リチウムイオン電池への充電は、付属の普通充電ケーブルもしくは、BMW iウォールボックス・ピュアからに対応し、200V/15Aで3.5〜4時間で満充電となります。
927万〜993万円という価格も高めですが、「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」の対象で、最大34万円の受給が可能です。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)