トヨタ・アクアといえば乗用車で販売台数ナンバー1を誇るハイブリッドのエコカー。燃費が自慢でモータースポーツなんか縁がない……と思いきや、なんとそのラリー車を展示しちゃうのが東京オートサロン2016のTRDブース。
どうしてエコカーのアクアがラリー車になっているのか? 興味はまずそこ。
実はトヨタが開催しているTRDラリーチャレンジ(2016年から「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ」に改名)に、アクア専用クラスが新設されるのです。そこでアクアをラリー車に仕立てるためのサスペンションをTRDが開発したというわけなのでした。
このサスペンションは指定部品として設定され、アクアで同ラリーに参戦するには装着が必要となります。
とはいえ価格(予価)は9万9800円と、上級クラスのラリー用サスペンションと違ってかなりリーズナブルだから手を出しやすいですね。
サスペンション以外はアフターのパーツメーカーがリリースするアクア用のパーツをレギュレーションの範囲内で自由に選んでラリー車を組み上げ、参戦することができます。
そして気になるアクアクラスを作った理由ですが、根底にあるのはモータースポーツに参戦するハードルを下げるため。
そもそもラリーはナンバーつきの車両でエントリーでき、無理をしすぎなければレースに比べてクルマへのダメージだって少ない。アクアは2ペダルでAT免許で運転できるし、そのうえ中古車だってタマ数が豊富でヴィッツRSよりも相場がリーズナブル。
そんなエントリーモデルとして数多くのメリットがあるから、ラリー参戦へのハードルを下げるクルマとして目をつけたというわけです。
(文:工藤貴宏/撮影:前田惠介)