BMW X1の切れ味鋭いフットワークと気になる課題とは?

しかし、SUVであれコンパクトカーであれ、BMWというブランドの価値の大半は、やはり運転して楽しいかという点にあるのでは? と考える私は古いのかもしれませんが気になるところ。

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全高が35mm高くなり、ヒップポイントも36mm高くなったという運転席に落ち着くと、先代X1がステーションワゴン的な低めの着座位置だったこともあってかなりSUVらしい見晴らしの良さを得ています。

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インパネの眺めはBMWらしい機能的で洗練された雰囲気で、先代は質感に物足りなさを感じさせただけに、クオリティアップが図られているのは朗報でしょう。

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試乗ステージの箱根ターンパイクは、「駆け抜ける歓び」が担保されているか味見するには最高のステージ。

SUVとしては高速でのコーナリングも苦にせず、切れ味鋭いフットワークは大きな美点ですが、トレードオフの関係になりがちな乗り心地はやや期待はずれ。とくに路面が荒れていると、ボディの上下動が大きく、左右にも盛大に揺すられるのには驚かされます。

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こうしたシーンでは、ボディの剛性感も不足気味に思えますし、225/50R18というタイヤサイズで、近年乗り心地が改善しているとはいえランフラットタイヤという影響もあってか、洗練されているとは言いがたい乗り味は、500〜600万円級の価格からすると少し物足りないところ。

もうひとつ気になるパワートレーンですが、試乗したのは2.0Lの直列4気筒ターボ+8ATを積む中間グレードの「X1 xDRIVE20i xLine」。

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192ps/5000rpm、280Nm/1250-4600rpmというスペックは、1660kgという車両重量でも力不足を感じさせないパンチ力があり、下からのトルク感も十分。スムーズな8ATの仕事ぶりも手伝って上り坂でもグイグイと車速を上げることができます。

初代よりも全体的に高級になった新型X1は、客層も少し変わりそうですが、こうした乗り味がどう評価されるか、競争相手が多いだけに気になるところです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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