【CCOTY2015】まさにメイドイン・ジャパンの世界遺産!トヨタ「MIRAI」に10点

clicccarが年間(前年12月1日~当年11月31日)に発表・発売された車の中から“年グルマ”を選ぶ恒例のイベント「CCOTY」こと、クリッカー・オブ・ザ・イヤー。

CCOTY2015対象車の中から選考委員の筆者Avantiが迷わず1位に選んだのは、トヨタが世界に先駆けて世に送り出した量産FCV「MIRAI」です。

TOYOTA_MIRAI(出展 米国トヨタ)

近年、国内や新興国の新車販売が足踏みするなか、自動車各社の販売減を相殺してくれる唯一の存在が米国市場。

同国のカリフォルニア州では、州内で一定台数以上自動車を販売するメーカーは、販売台数の一定比率を「ZEV(Zero Emission Vehicle)」にしなければならないと定めており、FCVとEVを「ZEV」と定義しています。

但し開発に時間がかかることから、現時点ではPHVや天然ガス車をZEV対象に組み入れることを認めています。

そうしたなか、現在のトヨタやホンダ、日産に加え、BMWやダイムラー、VW、マツダ等についても、近々にZEVの規制対象に加わる見込みになっており、逐次強化が進むZEV規制をクリアできないと、将来的に米国で新車を販売できなくなってしまいます。

直近では、これまでZEVの定義上で認められていたHVが2018年モデル以降、定義から外される見通しで、自動車各社はHVに代わるPHVの開発に余念が無い状況。

TOYOTA_MIRAI(出展 米国トヨタ)

そこでトヨタがZEV対応の王道とも言える、水素燃料で発電、排出ガスを一切出さない究極のエコカー「MIRAI」をいち早く市販に漕ぎ着けたというワケです。

開発段階における多くの難題を克服して具現化したクルマであり、その販売価格を数々の工夫により、723.6万円に抑えたことや、発売後早くも世界で累計3,000台を超える受注を獲得するなど、話題は尽きません。

未来の世界遺産になるであろう、「MIRAI」はメイドイン・ジャパンの技術の結晶であり、堂々の1位に相応しいクルマと言えるのではないでしょうか。

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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