ツインスクロールターボ、ダブルVANOS(吸・排気の可変バルブタイミング機構)、バルブトロニックなどを採用しているのはもちろん、クランクケースやシリンダーヘッド、オイルパンがアルミ製となり、車両の軽量化にも寄与しています。
さらに、水冷式インタークーラーがインテークマニホールドに統合され、高効率化とアクセルレスポンスの向上を得ているとのこと。
最高出力は従来の320psから326ps、最大トルクは450Nmと変わりませんが、従来の1300-4500rpmから1380-5000rpmとややトルクバンドも広くなり、4.5LクラスのNAエンジンと遜色のないトルクですから、中・低速域の力強さが印象的です。
カタログ燃費は先代の12.1km/Lからほとんど変わっていませんが(12.2km/L)、エコカー減税対象車になっていて、取得税が40%、重量税は25%、翌年度の自動車税が50%減税されます。
また、2016年登場のプラグインハイブリッド仕様も控えていますから、7シリーズではPHVがC02削減の貢献役となります。
さて、新しい直列6気筒ターボの走りですが、スペックから想像する以上にトルクフル。740iでは先代よりも車両重量が70kg軽くなっていることもあるのでしょう、とにかく「ECO PRO」モードのままで市街地はもちろん、ワインディングから高速道路の加速、巡航まで余裕でこなしてくれます。
「スポーツ」モードにすると、さらにレスポンスが鋭くなり、圧倒的な加速感が味わえます。さらにアクセルを踏み込むと高速域のパンチ力は、公道ではフルに引き出せないほどの伸びがあり、4人乗車で荷物を満載して出かけるようなシーンでも場所を問わず力不足とは無縁なはず。
8ATの超スムーズな変速フィールと直列6気筒の滑らかな加速に加えて、エンジンのレスポンスも非常に鋭くてダイレクト感があり、ターボラグもほとんど感じさせませんから、このエンジンに惹かれて7シリーズを購入するという羨ましい方もいるはず。
450ps/660Nmの4.4L V8ツインターボの0-100km/h加速4.7秒という高級スポーツサルーンそのものの750i系も別な魅力がありますが、動力性能的には直列6気筒ターボで十分ですし、一体感のあるフットワークなどBMWらしさを楽しむなら、より軽いはずの740i(750i、750Li の車両重量など一部諸元値は現時点で未定)の方が向いているかもしれません。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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