専用コースでは最高速は80km/hくらいまでで、わずか3周という条件下での試乗でしたが、S字ではもちろん、直線での加減速でも重心がより低く感じるだけでなく、ロールもさらに抑制されている印象。
フロント6ポッド、リヤ4ポッドの対向モノブロックキャリパーの「真価」も体感できるほどの速度は出せませんでしたが、初期制動の立ち上がりは急すぎず、遅すぎずという絶妙なもので、ペダルフィールもしっかり感のあるものでした。
最大の驚きは、圧倒的といえるボディの剛性感で、86がひと回り小さく思えるほどの一体感(小径ステアリングの採用や専用バケットシートのホールド性もありますが……)が得られるのも魅力でしょう。
乗り心地はかなりハードになっていますし、エキゾーストノートも早朝深夜の住宅街で乗るには躊躇しそうなほどの音量の重低音(高速域は確認できませんでしたが)で、バケットシートは腰痛持ちには辛い乗り降りになっていますが、本格的なサーキット走行を楽しみたい人には待望のモデルに仕上がっています。
(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦)
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