交通事故時の車両データから救命率を上げるための通報システムが試験始動

『D-Call Net』のキーとなるテクノロジーは、過去のデータを活かした”死亡重傷確率推定アルゴリズム”にあります。

エアバッグが展開するような交通事故において、衝突の方向やクラッシュの度合い、シートベルト着用の有無といったデータを、通信端末を利用して車両から自動配信。

前述したアルゴリズムに則り、急を要すると判断された場合は、基地病院(試験運用では全国9か所の病院が参加)へ連絡。ドクターヘリやドクターカーの出動判断を早めることで救命率を上げようという狙いです。

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なお、D-Call Net対応端末を搭載している車両は以下の通り。

トヨタ・クラウン(2015年10月マイナーチェンジ以降)
トヨタ・ランドクルーザー(2015年8月マイナーチェンジ以降)
レクサスLX
レクサスRX
レクサスGS(2015年11月マイナーチェンジ以降)
レクサスGS F

ホンダ純正ナビ装着車(2013年6月以降、アコードなど)

現時点では、まだまだ少数派となりますが、2017年には日本全国で40万台まで普及すると予想されているD-Call Net対応車。テレマティクスとビッグデータを活用することにより、命を救おうという試みは始まったばかりです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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