レッドブルエアーレースに参戦中の室屋義秀選手が11/18に東京・新橋の航空会館でスペシャルトークショーを行いました。
テーマは「目標達成の秘訣 操縦技術世界一のパイロットを目指して」
開演前には用意された180席の9割以上が埋まる盛況ぶりで、現在の室屋選手の注目度の高さを感じます。
トークショーでは技術論は…無く、生い立ちや経験等を中心に紹介しました。
子供の頃、ガンダムの主人公アムロ・レイにあこがれてパイロットを志した事。しかし、当時は体格に恵まれず並ぶと腰に手をあてる(最前列)ポジション。そこからの脱出が目標だったとか。
中学、高校とサッカーに明け暮れ、大学でグライダー部に所属してパイロットの道に踏み出します。他のエアレースパイロットは親がパイロットや飛行学校を経営していたり、空軍に所属していた人がほとんどなので、極めて異色の経歴の持ち主です。
大学在学中に、パイロットに憧れるもうひとつのきっかけとなった映画「TOPGUN」の舞台アメリカでエンジン付きの飛行ライセンスを取得しますが、この辺りから苦労が始まります。
初めて手に入れた飛行機スホーイは日本未導入だったので、国内での飛行認可が下りるまでに半年ほど掛かったとか。金策に苦労している頃、あるTVを見て徹夜で企画書を作り、スポンサーをお願いに走ったり。
支援や仲間も増え、スポンサーも獲得し、エアレースへ参加、エアショーにも追い風が吹き始め…た矢先に、先鋭化し過ぎたエアレースが2010年に一旦休止。
アエロバティック世界選手権でまさかの予選落ち、更に東日本大震災。福島が活動拠点の室屋選手には大変だった様です。流石に心が折れかかるところに仲間の叱咤激励もあり、再開されたエアレースに再び参加。
そして悲願の母国開催と表彰台獲得を重ね、いよいよ世界の頂点が見えてきました。
テーマに沿った部分では、メンタルコントロールとトレーニングについて語られました。
福島大学教授でメンタルトレイナー白石豊(2010年サッカーワールドカップ日本代表、岡田武史監督をサポート)氏の出会いや、自制心やセルフコントロールのテストとして有名な「マシュマロ実験」等を例に、目標を達成していくにはどうしたらよいかを語りました。
室屋流アプローチで特に興味深かったのは 「一日3分間だけ余計に頑張ってみる」
成長見込みをグラフ化し、10年経過すると頑張った目的の世界と戦えるレベルに達するとか、15分にすると2年で世界レベルに到達するなどを紹介しました。