というわけで、『どんなエンジンを積んでいるのか想像するだけで、ショーの後も楽しめそうなコンセプトカー』の第2位は、トヨタ「S-FR」で決まり。
FRであること、6速MTを採用していることは公表されているので、内燃機関をフロントに積むことを想定しているコンセプトカーなのは間違いありませんが、肝心のエンジンについてはノーコメント状態。
ボディサイズからも、手頃な価格設定をイメージしているスモール・スポーツカーのコンセプト。そうなると専用エンジンを開発するというのは考えづらいものです。
とはいえ、トヨタで小さめの縦置きエンジンというと、タウンエースに搭載している1.5リッター「3SZ-VE」くらいしか浮かびません。タウンエースにしてもダイハツ系のインドネシア工場で生産しているくらいで、じつはトヨタにコンパクトな縦置きエンジンというのは見当たらないのが、このコンセプトカーのパワートレインを秘密めいたものにしているという面もあるのかもしれません。
そうして、トヨタ内部で適切なパワートレインが見当たらないからこそ、協業関係にあるマツダからロードスター用の1.5リッターを流用するという想像や、86/BRZの弟分として、スバルの1.6リッター水平対向エンジンを使うというアイデアが、コンセプトカーを眺めるオーディエンスから飛び出すのも、自然なのことかもしれません。