ボッシュ取締役会会長フォルクマル・デナー氏は開所式のスピーチで次のように挨拶しました。
ここレニンゲンで、ボッシュは新しい研究センターをオープンすることになりました。その実体は研究施設ですが、私たちはこれを「キャンパス」と呼んでいます。大学がそうであるように、ここにはさまざまな学際的研究施設が集まっています。ここはまさに、ボッシュ版「スタンフォード」と呼べるかもしれません。
レニンゲンにはかつて、未来につながる道を切り拓いた歴史があります。今から20年ほど前、当社のエンジニアは、隣接する飛行場跡地を利用して試験走行を繰り返していました。横滑りを防止する電子システムエレクトリック・スタビリティ・コントロール「ESC」の開発が進んでいたのです。
この由緒ある地に研究施設を建設するために、私たちは3億ユーロを超える資金を投じました。シュトゥットガルトエリアの3カ所の拠点に分散していた、創造の才に恵まれた1,700人の従業員がここに結集し、これまで以上に緊密に集中して活動できる態勢が整いました。
新しい研究施設のオープンによって、ボッシュは社内の頭脳を結集してESCのような、いつまでも消えることのない足跡を世界に残す技術革新を成し遂げたいと考えています。
同社がレニンゲン研究センターの作業条件で注意を払ったのは、建物の内外とも、閑静な環境で研究者が作業できる、という点です。
デナー氏によれば、
新鮮な空気の中でのインスピレーションの交流、水辺で生まれる技術 ? ここレニンゲンではそのすべてを実現できます
ということになります。
さらに、ボッシュ本社および連合職場評議会議長を務めるアルフレド・レックレ氏は、
職場のデザインをトップダウンで決める時代は終わりました。私たち従業員は長い時間を職場で過ごすのですから職場のデザインに関して、私たちに発言権が与えられるのは当然のことです
と、新研究センターの作業環境を説明しています。
ボッシュは現在、VW問題で大きな課題をかかえていますが、レニンゲン研究センターから次代の自動車の姿を変革するような革新的な技術が生まれることを期待したいと思います。
(山内 博 画像出典:ボッシュ)