30年前に欧州ツーリングカーレースを制した「空飛ぶレンガ」とは?

Volvo 240 Turbo

1982年に規定されたGr.A(国際グループA)規則は、4人乗り以上の量産車をベースとしたモータースポーツの規定で、ボルボは240ターボをGr.Aマシンとしてモータースポーツに参加します。

北米で限定販売されたホモロゲーションモデル「240ターボエボリューション」は、大型ターボチャージャーや水噴出システムなど当時最新のテクノロジーを装備したものだったといいます。

一方で、そのモデルをベースとしたレースカーは、ボルボらしいスクエアなフォルムから『空飛ぶレンガ(フライイング・ブリック)』と呼ばれたことでも知られています。そうした愛称が生まれたのも、アピアランスとパフォーマンスのギャップゆえのことです。

実際、1984年のETC(欧州ツーリングカー選手権)、DTM(ドイツツーリングカー選手権)から参戦をはじめたボルボ240ターボは、翌1985年にはそれぞれチャンピオンに輝いたのです。

ETCの最終レースが開催されたのが10月13日、まさしく30年前にボルボはモータースポーツの頂点を極めていたというわけです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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