化学大手の独BASFは、ポリウレタンフォーム「Elastoflex E」とクラスAフィルムをハニカム構造で組み合わせた軽量素材を自動車の外装部品向けに開発した、と発表しました。
同社ではこの軽量素材を、スマート「フォーツー」のルーフモジュール用に供給を開始しています。
新型スマート・フォーツー向けのルーフモジュールは、ペーパーハニカムを2枚のグラスファイバーマットではさみ、低密度のElastoflex Eを用いた含浸プロセスを経て、特色のクラスAフィルムと一緒にプレスして製造されるものです。
ハニカム技術はこれまで、ローディングフロアやルーフライニングなどの内装部品に使用されてきましたが、BASFはElastoflex Eの粘着性と反応性を調整することで外装部品への使用を可能にしました。これにより従来のルーフと比べて30%の軽量化を実現した、としています。
またBASFは同日、上海化学工業区(SCIP)に設置した樹脂・電着塗料工場を開所したと発表しました。同社にとって中国初の樹脂工場で、同工場の稼動により約70人の新規雇用が創出される模様です。
BASFコーティングのKamieth社長は同工場の開所式典で、新工場がアジア太平洋地域の自動車産業の長期的な成長を支援するものだと述べました。同社は昨年、SCIPに建設した自動車用塗料の新工場の操業を開始しています。
一方、BASFは近年日本ではエコカー向けの電池材料の研究所を開設しており、同社のアジア地域での生産体制が、中国と日本で分野を明確に区別していることが明らかになりました。
(山内 博)