ディーゼルエンジン不正問題でフォルクスワーゲンのCEOが辞任、日本への影響は?

声明文をご紹介する前に、今回の経緯ですが、アメリカの環境保護局(EPA)が今月18日、フォルクスワーゲンが違法なソフトウェアを使って、試験時にディーゼルエンジンの排ガス量(NOx)を無効化するという、違法な手段を使っていた問題。

EPAが実際の走行では、基準値の40倍ものNOxを排出していたという指摘で、フォルクスワーゲンはこれを認め、不正対象のクルマは世界で1100万台に達するというから問題は深刻です。

ヴィンターコルンCEOは、22日の夕方時点では続投する意欲を示していましたが、23日の監査役会(執行委員会)の会合で同社長の責任問題が当然議題に上っていたようです。

さて、監査役会(執行委員会)の声明ですが、主なものを紹介すると、

「執行委員会は非常に真剣にこの問題を受け止めており、執行委員会は、生じた経済的被害だけでなく、世界の多くのユーザーの間で信頼を失う問題と認識している」
「執行委員会は、ヴィンターコルン氏には、排出データの操作の知識を持っていないことを認識」
「ヴィンターコルン氏は、フォルクスワーゲンに多大な貢献をしてきた」
「内部グループによる調査は素早く開始されている」
「これからのリーダーシップの下でフォルクスワーゲンAGの監査役会は、特別委員会を作成することを提案。特別委員会は、外部のアドバイスを活用し、詳細は金曜日に監査役会の会議で決定される」

などとなっています。

新CEOの就任やディーゼルエンジンの不正問題の対応はこれからになりますが、今年トヨタを抜いて世界販売台数世界一の座を目指すフォルクスワーゲン・グループにとって、致命的な逆風になりかねません。

フォルクスワーゲン・ブランドのアメリカでの販売台数は元々少ないですが、急成長を支えてきた中国ではバブルが崩壊し、下半期は厳しい数値が予想されていただけに今後の対応が注目ですし、アメリカ以外でもディーゼルエンジンの調査が行われればさらに問題が拡大する懸念もあります。

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気になるのは、日本向けのディーゼルエンジン仕様が来年早々に上陸できるかで、このあたりのスケジュールにも影響があるかもしれません。

世界一の座を目の前にしてどうやってフォルクスワーゲンが体制を立て直すのか注目が集まります。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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