■最高速度引き上げにからんで、暫定2車線状態が気になります…
しかしながら新東名の最高速度引き上げを検討するとき、まず、直面するのが新東名そのものが抱える構造的な問題です。
新東名(第二東名)は1993年に全線片側3車線、設計速度140km/hという従来の規格にない文字通り破格の高規格高速道路として、日本の高速道路の未来を託して着工されました。
が、折からの財政構造改革(公共事業見直し・道路整備計画の凍結)、道路公団民営化に際し、高速道路建設計画の見直しが求められ、2006年に片側2車線路とする大幅変更(コスト削減)された新整備計画のもとに工事が再開されました。
その際には、3車線で工事が終わっているところまで2車線に造り変えるという馬鹿げた改修まで行われています。
高速道路の至上命題であるはずの安全・円滑までが(コストを削減のための)2車線化という名目のもとに(コストをかけて)劣化させたわけです。
最高速度以前の問題として、暫定2車線には「不自然」が付きまといます。
新東名のトンネルは走行車線側をポールでブロックしています。スペースはあるのに非常用の退避車線がいざというとき極めて使いづらく、ポールを意識すると本線上に車両がはみ出すリスクがあります。
現在、インター付近などは3車線になっていますが、トンネルをはじめとして、3車線路が完成しているのにわざわざ車線を狭めたり、1車線分ポールを立てて走れなくしてある箇所が多々あります。
そして、今後の開通区間も基本的に4車線で工事が進められています。