新東名高速の最高速が120km/hになるってホント?

■異なる制限速度の車両が混走する際、3車線化は安全の必須条件!

制限速度80km/hのトラックを、80km/hプラスのトラックが追い越しをかけて2車線をふさぐ…そうしたシーンが全線で演じられています。そこに制限速度の高い車両が混ざると…

制限速度80km/hの車両が進入しない第3車線の存在は、交通の安全と円滑のカナメとなります。

下の写真では、2車線区間の追い越し車線から走行車線に戻ろうとしたトラックと走行車線側から追い抜こうとする乗用車が異常接近している様子です。

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こうした写真を見るまでもなく、2車線化の愚(交通の円滑を阻害し、危険性が増す)はわかろうというものです。法律を守れば事故は起きないという建前ではなく、現実の安全性を考えたとき、3車線ならこうしたリスクも低減されます。

ちなみに国土交通省提供資料には、新東名高速道路の仕様説明に「車線数は6車線(暫定4車線)」と記されています。

また

御殿場JCT〜浜松いなさJCTについては現在、一部区間を除き暫定4車線で運用しております」「インターチェンジの前後など、一部の区間には付加車線を設置しています

とは新東名を管轄するNEXCO中日本の説明です(この「暫定」が意味深です…)。

ともあれ、現時点で新東名における最高速度の引き上げの対象となるのは“除かれた一部区間”でしかありません。それも今の新東名だと車線数に応して頻繁に変わることになってしまいます。制限速度が頻繁に変わるというのも、安定した交通流の継続性から好ましいものではありません。

このような状況下で、実際にどのように最高速度の見直し・引き上げが行われるのか。その際には新東名に限らない「統一的な規制基準」も外すわけにはいかないでしょう。現実に即した形での基準設定&実施が興味深いところです。

道路利権や無駄な高規格論はさておき、目先のコスト削減のための2車線化は、将来のためのよりよい道路環境の整備を歪めたものであることは、走ればわかります。「木を見て森を見ず」の諺があてはまりそうです。

道交法の目的である「交通の安全と円滑」の実現からも、道路インフラの多車線化は当然の方向です。

制限速度がどうなるか以前に、走りやすさや安全性が格段に違ってきますから。

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最高速度の見直しを機に、新東名や新名神の片側暫定2車線を3車線に多少なりとも戻せるかどうか、そちらの方も大いに気になるところですね。

(I&I PRESS)