BMWの320dやX3に搭載されている4気筒も車外、車内で想像よりも大きめの音で初めは驚かされますが、V40もXC60も音に関してはBMWの4気筒と同じかそれよりも大きめかもしれません。
しかし、車内にいると目くじらを立てるほどではなく、アイドリングストップが作動すれば(スポーツモード時は作動しない)当然ながら停車時でも気になりません。
また、D4エンジンのアイドリングストップは、たとえば同じ信号待ちでも1km/h以上出れば再び作動するなど使い勝手もよく(3回以上作動するには、次回12km/h以上出ないと再始動しない)、慣れていれば低速域のカラカラ音も気にならなくなるはず。
速度が高まれば、ほかのディーゼル同様にロードノイズや風切り音などのほかの音が進入してきますから意識することもなくなるでしょう。
ディーゼルの美点であるトルクフルな走りは、車両重量のかさむXC60との相性が良く、登り坂でも巨体をグイグイと持ち上げてくれます。
ガソリンエンジンのT5と比べると、D4は約30kgの重量差があるとのことで、とくに重いXC60ではフロントがやや重く感じられ、コーナーの形状や速度域によってはノーズが入りにくく、曲がりにくくて軽快感は薄め。
さらに試乗したXC60 D4 R-DESIGNは1800kg(サンルーフ付は10kg増)という車両重量で、V40の試乗記は別記事でお届けしますが、D4 SEで1540kgと260kgも違いますから、同じ190ps/400Nmの直列4気筒ターボエンジンといってもそのトルク、パワー感はまったく異なります。
それでも、重いXC60に積んでもD4エンジンは、先述したように十分トルクフルといえるもので、重量のあるSUVとの相性はやはり抜群。
なお、専用スポーツサスペンションと225/45R20サイズを装着するR-DESIGNの乗り心地はかなり硬めで、路面によっては上下、左右にボディが揺すられるシーンもあります。
気になる人は素のXC60(17インチ)かSE(18インチ)を選ぶのが無難かもしれません(今回は試乗できませんでしたが、ガソリン仕様の傾向からしても)。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)