トヨタとマツダの提携強化は次期トヨタ86開発にも波及?

その一方では次期モデルの開発がスタートする時期にさしかかっていると予想され、両車の開発体制が大いに気になるところ。

と言うのも現行の「ハチロク」がトヨタとスバルの共同開発で誕生した経緯があり、エンジンはスバル製で生産も富士重工が担当するなど、かなりスバル色の強いモデルである事は否めません。

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それが両社にとってむしろプラス方向に作用している訳ですが、次期モデルでも同じような開発体制が採られるとは限らないのがこの業界の常。

なぜなら、トヨタは先頃マツダとの包括提携を発表しており、従来以上に関係性を拡大しようとしているからです。

MAZDA_Roadster

おりしもプラットフォームを新設した4代目ロードスターが5月に発売となり、1ヶ月で既に累計受注台数が5,000台を超えたそうですが、マツダにしてみれば同プラットフォームを流用予定とされるFIAT向けの兄弟車以外にもコストダウンの観点から更なる共用モデルが欲しいところ。

MAZDA_Roadster

そもそもトヨタは現行ハチロクの開発を始める段階でマツダの開発陣と技術交流を図るなど、何かと縁が深い関係。

スポーツカーの場合、限られたユーザーにひと通り行き渡ると、販売台数が低下する宿命を抱えており、何かと採算面で苦しいと言います。

そうした意味で次期トヨタ86へのマツダ製FRプラットフォームの流用は開発コストの低減に繋がるだけで無く、このプラットフォームをベースに自社製ボディとエンジンを組合わせることで、スポーツカーとして重要な走りの「味付け」にタップリ時間が裂けるという訳です。

MAZDA_RoadsterTOYOTA_86

またスバルとしてもトヨタに気兼ねする事無く得意のターボ化を図ることが可能となり、職人気質溢れる開発陣にとってはフラストレーション無く開発に専念できそう。

走りの良さで定評のBMWとも提携関係を活かしたプラットフォームの共用化が噂されているトヨタだけに本件についても十分有り得る話。

トヨタとマツダの包括提携により、これまでに無かった新たな世界が開ける可能性が有り、今後の両社の動きが注目されます。

■トヨタ86
http://toyota.jp/86/?padid=ag001_i_carlineup_search

■マツダ ロードスター
http://www.mazda.co.jp/cars/roadster/#roadster

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 (Avanti Yasunori) 

【画像をご覧になりたい方はこちら】 https://clicccar.com/2015/06/26/313751/

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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