【ゆとり世代のチョイ乗り報告】「BMW・2シリーズアクティブツアラー」の半分は優しさで出来ていた!?

 この効率的なパッケージに貢献したのが、BMWブランドでは初となる前輪駆動方式(FF)の採用です。エンジンやトランスミッションを車体の前方に集めたことで、小さなボディでも多くのスペースを居住空間と荷室に割り当てられています。

また、「2シリーズアクティブツアラー」は現行「MINI」とメカニズムを共有しています。となると、やはり気になるのが2台のキャラクターの違い。

結論から言うと、両車の違いは明らか。

同じパワートレーンとはいえ、振動やサウンドをガッツリと伝えるダイレクト感が魅力の「MINI」に対して、「2シリーズアクティブツアラー」ではそれらがマイルドに抑えられています。

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やや背高なボディから漂うアットホームな感じから不安のあった走りも、重心が低いのか、街中から高速道路まで思いのほか軽快に走ってくれます。コンパクトなボディとわずかに高い視点も相まって、俊敏な走りをラクに楽しめるのです。

新搭載のエンジンは、わずか1500ccほどの小排気量ながら、ちょいとアクセルを踏むだけで十分なトルクを発揮するから、発進はもちろん、高速道路での合流にも不安はありません。

おまけに、アクセルオフでの減速感も自然で、右足だけで自由自在にスピードをコントロールできるのもポイント。クルマを操っている確かな手応えを感じさせつつ、余計な荒々しさを感じさせない上品な走りは、たしかにBMWと納得の味わいでした。 

正直、実際に「2シリーズアクティブツアラー」に触れてみると、その印象は180°ガラリと変わります。この実用性と走りの良さなら、ファミリーユースとは言わず、お一人様にもオススメできる1台に違いありません。

ただし、やはりプレミアムブランドと言われるだけあって、お値段も332万円~と立派。果たして家族の優しさが過半数を占めているかが気になるところ。購入の際に、お家騒動にならないことを祈るばかりです。

(今 総一郎)