軽自動車の人気に押されて、その存在感が薄まりつつあるコンパクトカー。
たしかに、軽自動車の室内空間はミニバンに迫るほど広がり、走行性能も日常生活で使う分には申し分ありません。しかも維持費まで安いときたら「コンパクトカーよりも軽自動車で良い」と思う方が多くなるのは当然と言えます。
では「コンパクトカーは必要ない」のでしょうか?
その答えはNOで、理由のひとつに乗車定員が挙げられます。
クルマに詳しい方ならご存じの方も多いでしょうが、軽自動車の乗車定員は4名です。一方、コンパクトカーは5名というのが一般的です。
そしてふたつめの理由が走りの質感です。
最近の軽自動車は街乗りから高速までそつなくこなせますが、急坂や人と荷物が沢山乗っている時はさすがに力不足を感じさせられます。ところが、コンパクトカーはエンジンの排気量が多いため、走りの頼もしさは軽自動車よりも明らかに上。
しかも、エンジンとモーターのハイブリッドやディーゼル、そして欧州でメジャーなダウンサイジングターボなど、多彩なパワートレーンが用意されているのもポイントです。
つまり、使い勝手や走りで、よりストレスなく使えるのがコンパクトカーなのです。
そんなコンパクトカーの中で定番と言われるのが「ホンダ・フィット」です。
その最大の魅力は、コンパクトカーの中でも随一の広さを誇る室内空間。
ホンダ車でお馴染みの“センタータンクレイアウト”を採用することで、乗員が快適に過ごせる空間を確保しつつ、荷物が十分載せられるほどの荷室も用意。さらに、背の高い荷物を積むのに便利な後席座面の跳ね上げ機能も備わっています。
静粛性と加速性そして低燃費に貢献するハイブリッドは、実用派コンパクトカーの最右翼といえるモデルです。
しかし、実用性一辺倒のモデルではツマラナイという向きもありました。
そんな人たちの気持ちに応えるかのように、デザインや走りで注目を集めるモデルが登場しました。それが、「マツダ・デミオ」です。
マツダブランドの躍進を牽引する“魂動デザイン”によるダイナミック感あふれるルックス。圧倒的なトルクを発揮する一方で、燃費性能にも優れるディーゼルエンジン。そして、走行時の情報把握に役立つヘッドアップディスプレイを代表とする先進装備の数々。すべてがドライバーの所有欲とドライブへの歓びを掻き立てます。
ただし、後席空間をはじめとした実用性は、ライバル勢にリードを許しています。
「実用性を重視するとデザインや走りが…逆に、デザインと走りを重視すると実用性が…」。あちらを立てれば、こちらが立たずの難しいジャンルがコンパクトカーですが、トヨタからそのすべてが揃ったオールマイティな一台「オーリス」が登場しました。
現行モデルの登場は2012年ですが、この春、マイナーチェンジを実施。
顔つきがよりシャープになり、スポーティ感が強調されただけでなく、1.2L直噴ターボエンジンを搭載する新グレード「120T」が追加されました。その性能はラインナップの中でも最強を誇り、わずか1500rpmで185Nmものトルクを発揮します。しかも燃費は19.4km/Lと低燃費性能も良好。
また、同グレードではリヤサスペンションにダブルウィッシュボーンを採用する点もトピック。クルマを操る楽しさを感じさせてくれるチューニングが施されています。