輸入ステーションワゴンの根強い人気の一方、国産ステーションワゴンも最近は賑わいを取り戻しつつあります。
その象徴とも言えるのが「スバル・レヴォーグ」の登場でした。
国内市場を中心として開発されたモデルとして話題を呼び、例えばボディサイズ(全長×全幅×全高=4690×1780×1485mm)を見るだけでも、日本の道路環境を考慮していることが伝わってきます。もちろん室内や荷室のスペースは犠牲になっていません。
パワートレーンはエコとパワーを両立した1.6Lと、わずか2000rpmで400Nmを発揮し、ゆとりのあるドライブを満喫できる2.0Lの水平対向エンジンを搭載。走行状況に応じてトルクを適切に配分する4WDシステム「VTD-AWD」や、ステレオカメラで道路上の情報を的確に認識する「アイサイト(Ver.3)」が、安全で快適なドライブをサポートします。
また、国産ステーションワゴンでは「トヨタ・カローラフィールダー」も根強い人気を誇る鉄板モデルです。
そのボディサイズは4410mm×1695mm×1510mm(ハイブリッド車のFF)と、さらにコンパクト。しかし、室内空間は大人5人が乗れるほどのスペースをもち、荷室も普段使いからレジャーにも差し支えないほどの容量が確保されています。
ただ、その乗り味はいたってフツー。ですが、やや高めのアイポイントのおかげで見切りに優れ、搭載するパワートレーンはドライバーの意思をスンナリと反映させる素直さをもっており、このモデルが愛される秘訣になっているといえます。
豪華な内装や怒涛の走行性能はないですが、初心者からベテランドライバーまでスッと馴染んでしまう心地よさがあり、「コレで十分」と思わせる魔力があります。
ただ、クルマ好きとしては、やはりデザインや走りにも際立った個性があると嬉しいもの。そんなモデルとして注目なのが「マツダ・アテンザワゴン」です。
好評を博する“魂動デザイン”でまとめられたボディは、ワゴンに感じられる生活臭を抑えつつ、上質感やスポーティ感があふれています。
セダンと比べて荷室の容量が多くて使い勝手に優れる点はさておき、特徴的なのがセダンよりも全長が60mm短く、最小回転半径もわずかに小さいので取り回し性も優れています。
もちろん、マツダを象徴するディーゼルエンジンによるエコとパワフルを両立した走りは健在。6速MTを用意するなど、クルマ好きのツボはしっかりと押さえています。
ミニバンやSUVの席巻で存在感が薄くなってしまいましたが、改めて見ると、ワゴンの実用性と走行性能のバランスの高さには目を見張るモノがあるといえるのではないでしょうか?
(今 総一郎)