ハイブリッド化を意識させないエクストレイル・ハイブリッドの走りとは?

スムーズかつスマートにスタートさせるには、「ECOモード」をオンにする必要があるなと思ったほどです。

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じつは、同モードにはエコな発進をサポートする「スムーズ発進アシスト」なるセッティングがガソリン仕様車とともに施されているそうで、発進時には「Ecoモード」をオンにしたほうが「飛び出し感」の少ないスムーズなスタートを切れるようです。

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街中の上限速度まではあっという間に達するほど加速力がよく、さらに高速道路の合流時のような加速時もストレスフリーな瞬発力を得ることができます。

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2.0Lエンジンと1モーターによる加速は、「2.5Lを凌駕する加速性能」という謳い文句ですが、今回テストコースで許された100km/hまでという条件であれば確かにうなずけるものがあります。

さらに、山岳路などでどれくらいの走りを披露してくれるかも興味深いところです。

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さて、エネルギーフローを眺めていると、エンジンとモーターの出番がかなり頻繁に制御されているようで、たとえばある程度速度域が高ければほかにいくつもある音源、振動源のためエンジン始動などはほとんど分からないほど。

1モーター2クラッチ式のハイブリッドをかなり「モノにした」感があり、贅沢なもので、やや物足りなくなるほど。

ハイブリッドの制御ぶりをドライバーにあまり感じさせない仕上がりは実際に「最も注力した」点だそう。

また、回生ブレーキ時のフィーリングも違和感はほとんどなく、せっかくだから回生レベルセレクターなどもあって回生具合をもう少し選べればとも思いましたが、こちらもあくまで普通に走れる点が狙いならうなずけます。

3列シートを設定できず、荷室の撥水仕様もハイブリッドは無理な相談ですから、ややユーザーの裾野はガソリンよりも狭く、都市型SUVといえるかもしれません。

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ハイブリッド仕様は免税措置が適用され、先述した自慢の加速力に加えて、カタログ燃費もガソリンよりも約4km/Lいいとはいえ、約60万円の差はもう少し「ハイブリッドらしさ」がないと、完成度は高いとはいえ、大ヒットになるにはややインパクト不足ではないかなとも思えました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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