そうした状況の中、これまで20年以上の長きに渡って実質VWを仕切って来たフェルディナント・ピエヒ会長(78)が今月25日付けで辞任したとのニュースが大きな話題になっています。
報道によると、オーナー一族のピエヒ氏が経営の一線から今回身を引くことになった要因は、現社長のマルティン・ヴィンターコーン氏の任期延長を巡る社内の権力闘争に敗れたことによるものとされています。
ピエヒ氏はVWの基礎を築いたフェルディナント・ポルシェ氏の孫にあたり、90年代当時に赤字経営だった同社の収益性を高め、品質でも世界ナンバーワンを目指すべく、ボディパネル合せ部の隙間詰めやインテリアの高品質化を図り、一大メーカーに押し上げた豪腕経営者。
ポルシェ一族の血をひくだけに技術的にも卓越しており、アウディ社長時代にはクワトロシステムを開発するなど、同社のブランドを確立したのち、1993年にVW社長に就任、2002年に会長職に。
車両開発では設計段階からこだわり、経営では積極的な企業買収により、傘下にアウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、ブガッティなど12ブランドを擁する一大VWグループを構築しています。
今回のピエヒ氏の会長辞任劇は、米国における販売足踏みや東南アジアなど新興国向けの低価格車の投入遅れなどを理由に、ヴィンターコーン社長の任期延長に反対を表明したことが引き金となって監査役会で孤立。
さらに、VW内での会長、社長間の確執が独マスコミで表沙汰となり、2週間の混乱の末、辞任に追い込まれました。後任には開発部門トップのウルリッヒ・ハッケンベルグ氏が就く可能性が取り沙汰されています。
今後のVWの対応が注目されます。
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