クルマの動きを最終的に決めているのは路面と接しているタイヤです。普通、タイヤには空気が入っていて溝が彫ってあります。
けれど、じゃあ大体空気が入っていてなんとなく溝があればいいかというとどうでしょう? まあ、ちゃんと空気が入っていてしっかり溝が残ってる方がいいような気がしますが、どれくらいそれが減っているとダメなのかは、正直言ってよくわかりません。
タイヤメーカーの最大手、ブリヂストンでその性能差がどれほど出るのか実験をしてくれました。
まずは、溝が無くなったタイヤがどれほど止まりにくくなるか、の実験です。
雨の日などを想定して、濡れた路面で、溝の有無で制動距離の違いを測定します。
使用したタイヤは、ブリヂストンの高級車向けタイヤREGNO GR-XI。片方はほぼ新品、もう片方は「これ以上減ったら交換してね」という限界値とされる溝の深さ残り1.6mm 程度のタイヤです。
水深2mmのウエット路面で80km/hからフルブレーキングをかけた場合では、新品が30mで止まりました。
対して、摩耗したものは38m。その差は8m。車両2台分の距離になります。
危ない!と思ってフルブレーキをかけた時に、ぶつかるのか、ぶつからないかの差になることは十分考えられます。
<テストデータ>
■WETデモ
・使用タイヤ:195/65R15 REGNO GR-XI
・タイヤ条件:①新品 8.0/8.2㎜、②摩耗品(バフ品) 1.6㎜弱
・車輌 :トヨタ プリウス
・侵入速度 :80㎞/h
・制動方法 :フル制動(ABS作動)
・路面条件 :一般アスファルト
・水深 :2mm
・停止距離 :新品 約30m vs バフ 約38m
・距離の差 :約8m(車2台分)