タイヤの「空気圧」「溝」が燃費や安全にどれくらい影響するかわかりますか?

次に、空気が減ったタイヤが燃費をいかに悪くするか、の実験です。

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車両運搬車(ローダー)からリリースされたクルマが、惰性でどれくらい走るか、を適正空気圧と減った空気圧のタイヤで比べます。

まずは適正空気圧から。ローダーから発車したプリウスは、ニュートラルでスルスルと走ってきます。結果は75m進んで停止しました。

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同じ車両、同じタイヤのまま、空気を30%ほど抜きます。

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空気圧計で確認しながら、空気圧警報ランプが点灯する状態ですが、見た目にはそれほど変わりません。ベタベタにパンクしたような状態とはまったく違います。同じようにローダーから走ってきますが、明らかになかなか来ない。結果は50mしか進みませんでした。

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ざっくりした言い方ですが、タイヤの空気圧が異常に下がっているクルマは適正な空気圧にすることで、燃費が最大1.5倍になるとも言える今回の実験結果でした。それも、ちゃんと計測しないと見た目にはわかりません。

<テストデータ>
■転がりデモ
・使用タイヤ:195/65R15 REGNO GR-XI
・実施方法:ローダー車の傾斜を利用し惰行走行(エンジン:ON、ギア:ニュートラル、操作は一切しない)
・車両:トヨタ プリウス
・タイヤ空気圧条件:正規空気圧230/220kPa vs ダウン空気圧約150/145kPa(約30%ダウン、内圧警報装置の異常作動状態)
・停止距離:正規圧 約75m vs ダウン 約50m (差:約25m)

命を載せていると言われるタイヤ。溝がきちんと残っていて、空気が適正に入っているのを月に一度くらいは確認した方が、安全面でも燃費の面でも良さそうですね。

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今回のテストタイヤを作った「チームREGNO」の面々も、そうオススメしています。

(文・写真:小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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