「じつはデザインを変えたのではなく、カウルを外しただけなんですよ。外したたけでプロトタイプとくらべフォルムがより低く見えませんか?」
確かに市販モデルが披露されたとき筆者は車体が低くなり、しかもホイールベースを伸ばしたのかなと感じたのですが、その理由はカウルを外したことが理由だったようです。
カウルは外したものの、基本フォルムはプロトタイプとほぼ同じでzecOOの大きな特徴でステアリングを前後に押し引きして操舵するハブステアリング方式も踏襲されています。
「モーターの大きなトルクを考えて個性的なステアリング方式を採用したと説明していますが、ぶっちゃけ言うと僕が好きだからこうしているのです(笑)」(根津さん)
発表会で車体の製作を担当した中村正樹さん(オートスタッフ末広)は、「zecOOは電動バイクですが、従来のバイクからエンジンを降ろしモーターに載せ変えただけのものではありません。今までにない乗りものとして開発しました」とコメント。
見た目だけでなく、設計・パワーユニットを含め未来のバイクとアピールしたのです。
「パワーユニットはゼロモーターサイクルズ(アメリカ)のものを採用しましたが、スピリットは『メイド・イン・ジャパン』にこだわっています」(中村さん)
リアルマテリアルやカーボンをふんだんに使用した車体だけでなく、町工場など小規模な現場で製造できるように設計が工夫されているなどzecOOは「日本のものづくり」にこだわって生まれた電動バイクです。
車両価格は888万円(税抜き)と高価ではありますが、こだわり抜いて完成した未来のバイクであることを考えると、けして高くはありません。
■zecOO(http://www.zecoomotor.com/)
(テヅカ・ツヨシ)