4年ぶりにビッグマイナーチェンジを受けたVWトゥアレグの進化とは?

試乗記の前に今回の主な変更点をご紹介すると、最新のフォルクスワーゲン顔となった精悍なフロントマスクが印象的。

フロントグリルは、センターのVWマークを中心に4本のクロームモールが水平方向に伸び、その両端によりシャープなデザインになったLEDポジションライト付のバイキセノンヘッドライトが配置されています。

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フロントバンパー左右にある大きなエアインテークに挟まれた中央部分にもラジエータグリルと同じ横幅で3本のクロームモールが装備されていてアクセントになっています。

さらに、前後バンパーと4枚のドア下部にクロームモールがクルマの周囲を囲むように配されていてSUVらしさを強調。

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インテリアは顔つきほど変わった印象は受けませんが、「Touareg V6 Upgrade Package」は大きな面積を占める木目パネルや金属調加飾による質感の高さが印象的で、「Touareg V6」はシルバーメタリックのデコラティブパネルになります。

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純正ナビは日本語・英語対応で、3VICSやボイスコントロール、フルセグの地上デジタル放送などに対応。

安全装備のアップデートも大きなトピックスで、30km/h未満での走行中、万一の際にブレーキを作動させて、前方障害物への衝突を軽減するシティエマージェンシーブレーキを含むプリクラッシュブレーキシステム「Front Assist Plus」を搭載。

万一追突された場合、時速10km/h以下になるまで自動的にブレーキをかけ、追突による多重事故などの二次被害を軽減するマルチコリジョンブレーキ、そして全車速で先行車との車間、車速を自動的に調整しながら追従走行することができるアダプティブクルーズコントロールの「ACC」を全車に標準装備しているのがトピックス。

また「Touareg V6 Upgrade Package」には、65km/h以上での走行時に、フロントガラス上部にあるカメラが、ドライバーの意図しない車線逸脱を検知すると、ステアリングを振動させてドライバーに注意を促す「レーンディパーチャーワーニングシステムの「Lane Assist」と、30km/h以下での走行時にリヤバンパーのセンサー(左右)が接近車両を検知すると、ドアミラーの専用インジケーターを「点灯」。また車線変更時に危険を感知すると「点滅」させてドライバーに注意を促すレーンチェンジアシストシステムの「Side Assist」を標準装備しています。

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レーンキープはステアリングの振動で伝えるタイプですが、その振動の強さがやや抑え目で突然の振動に驚くことはなさそうですが、トルクなどを与えて進路を補正するタイプではありません。

サイドアシストを含めて高速道路を中心にあると助かる装備ではありますが、全長4815☓全幅1945☓全高1745mmという巨体だけに、俯瞰映像を含めたアラウンドビュー、リヤビューカメラが駐車時や狭い道での取り回し時などに重宝しました。

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ほかには、車高調整機能が付かないためややフロアの高さからくる、よじ登るような乗降性や、大きくて思いテールゲートに電動開閉機構が用意されないなど、いくつか物足りない点もありますが、装備的には充実している本格SUVといえるでしょう。

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(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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