音や振動面はもちろん、レンジローバー・スポーツでは雪を踏んで走っていることさえあまり感じさせない滑らかな乗り心地とは違い、車内は良い意味でカジュアルな雰囲気に包まれています。
レンジローバー・スポーツはエササスペンションで、初期入力は意外と硬めに感じられるもののフラットな姿勢を保ちますし、大入力時やコーナリング時でも足まわりには十分な余裕が感じられます。
それでも試乗車のイヴォークには、オプションの「アダプティブ・ダイナミクス」が搭載されていて、減衰力を最適に制御するだけあっていつまでも無粋な揺れに見舞われることはほとんどありません。
雪が溶け出した半分ドライ路面のような状態から圧雪路まで多様な路面状態でしたが、「テレイン・レスポンス」をオンロードにしていてもほとんど滑る気配はなく、特設コースでもオンロードでクリアできてしまうほど。
「砂・砂利・雪」モードにすると、駆動力が抑制されるのは分かりますが、今回の試乗コースや路面状態ではほとんど出番は感じさせませんでした。
しかも今回は、スタッドレスタイヤよりも若干滑りやすいと注意があったウインタータイヤ(ピレリ・スコーピオン・ウィンター 225/65R17)を履いていましたが、スリップする様子はほとんどなく、ETC(4輪電子制御トラクション・コントロール)をオフにすれば多少滑るかなという程度なので、同タイヤの雪上トラクションも予想よりも確保されている印象でしたが、これがETCによる恩恵なのかまでは分かりませんでしたが、これにスタッドレスを組み合わせればより安心感が高まるのは間違いなさそうです。
デザインコンシャスなイヴォークは、ボディサイズの割に後席や荷室が若干狭く感じますが、5ドアなら実用性も確保されていますし、ディンクスや小さな子どもがいるファミリーでも日常使いならそれほど不満を抱かずにすむはず。
都市部でオシャレに乗るのもいいですが、ウインタースポーツの相棒としても一級品なだけにこうした場所で乗らないともったいない! とレンジローバー・スポーツとともに思わせてくれた1日でした。
■レンジローバー・スポーツは雪上であることを忘れさせる上質な走り
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■「フジ・ホワイト」をまとったレンジローバー・イヴォークの2015年モデル
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■より洗練された「レンジローバー・イヴォーク」の2016年モデルは燃費も向上
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(塚田勝弘)