中は宮殿、外は下界 ── ロールスロイスの後席の衝撃

で、苦節十数年。ついにこのチャンスがやってきました。後席の噂を検証できる時がきたんです。おぉー!なんと立派なシート。じゃあ遠慮なく座ります……。

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んんっ……あ、これは……。えっ、そうなの??

まったくもってソファー感覚じゃありませんでした。フカフカどころか、しっかりと芯のある座り心地。安楽な姿勢で座るんじゃなくて、きちんと深く腰掛けることを前提に作られています。経験上、このシートなら長時間移動も疲れやすいということはないでしょうね。それにしてもシートサイズがでかいなー。

というわけで結論。

噂はウソ確定!!

せっかくなのでもう少しレポートすると、ロールスの後席に座って驚いたのは、その「閉塞感」。もちろん大型ボディだから車内は広いし、窮屈なんて言う感覚は微塵もありません。じゃあどこが閉塞感かといえば、外とは「別世界」の感覚がもの凄いんですね。

完璧なまでの遮音性はもちろん、ピラーが太かったりとか、ドアの厚みとか、とにかく「車外のゴミゴミとした社会と隔離された感」が凄いんです。いうなればまるで家の中。

家の中って、一般的には外から隔離された感覚がありますよね。室内は広いけどミニバンの開放感とは一線を画するし、閉塞感といってもスポーツカーとはぜんぜん違う。ロールスの車内はそんな感覚でした。

車内は宮殿で外は「下界」なんです。セダンとしてはやたらと視線位置が高いのも、周囲を見下ろす感覚を演出する手段なのかもしれません。

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この感覚が近いのは、、最近流行の周囲を囲まれたタイプの飛行機のファーストクラスですかね。あいにく乗ったことありませんけど。

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(工藤貴宏@それにしてもすごい存在感でした)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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