重心高が下がるということは、N-BOXに比べると、安定性(ロールオーバー対策)のために足回りを引き締める必要性が低くなります。
そこで生まれたフットワークセッティングの余裕は、ハンドリングの改善ではなく、まず乗り心地に使われました。そのために、リヤのダンパーは太くされ、容量をアップしています。
また、全体の方向性として「チョップトップ」スタイルに合わせた、アメリカ車独特のロールの出方に気を使ったというのもN-BOXスラッシュの特徴といえましょう。
実際、車高や重心が下がったほどハンドリングにキビキビ感はないかもしれません。しかし、軽自動車としてはロングホイールベースのシャシーを実感できるゆったりした直進性、ブレーキングでの安心感などは、軽スペシャリティにふさわしい味付けで、そこはかとなくアメリカンな雰囲気をたしかに感じさせるのです。
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(山本晋也)