「胃が痛くなる」とCAが恐れる、非常救難訓練を体験してみた

「私も訓練を受ける側だった時は、受ける2~3ヵ月前になるとキリキリと胃が痛くなってきたんですよ」といきなり教官からの脅し(!?)を受けてしまったワタクシ。

向かったのは、羽田空港に隣接しているJALの救難訓練施設。なんとここで、キャビンアテンダント(CA)が年に1度受ける救難訓練を体験させてもらえるとのこと。あの脱出用滑り台(「スライド」と呼ぶらしい)を滑り下りられると思うと、もうドキドキです。

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内容のレクチャーを受けた後、まずはラジオ体操で準備運動。ラジオ体操に英語版があることをはじめて知りました(といっても写真じゃわかりませんね)。

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このころまでは雰囲気も和やかだったのですが……。

今回体験したJALの「定期救難訓練」は、緊急時の対応にかかわる知識と能力を再確認するために、すべての運航乗務員と客室乗務員が年に1回受けるもの。体験したのは「実技」のみですが、カリキュラムには「座学」や「筆記試験」も含まれています。

ボクもはじめて知ったのですが、この訓練は正確に表現するならば「試験」。運転免許証に例えると「更新」ではなく「検定」で、定められた成績をおさめないと再試験を受けてクリアするまで乗務停止になってしまうんだそうです。毎年誕生日の月におこなうそうですが、誕生日前を前に胃がキリキリしてくるなんてCAさんも大変ですねぇ……。

ちなみに今回取材に伺ったのは2014年4月から使われているJALの新しい訓練施設。大型のボーイング777と小型のボーイング737と大小2つのモックアップがあり、音でさらなる臨場感を再現するためのウーファーが組み込まれていたり、機内でのコックピットと客室のやり取りを聞けるイヤフォンが各シートに備わっていたり、状況によってスモークが出てきたりと、安全レベルのスキルアップを目指して様々な工夫が凝らされた訓練施設なのだそうです。

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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